山   行  日 2023年1月17日(火)
山名・山域・
県       名

三十三間山(842m) 轆轤山(662.3m)
福井県若狭町と滋賀県高島市との県境

目      的 1月平日定例山行
形     態 日帰り
コ ー ス

倉見登山口から周回

倉見登山口駐車場(9:03)~林道分岐(9:19)~最後の水場(9:40)~夫婦松(10:25)~風神の石塔(11:15)~三十三間山山頂(11:42)~轆轤山(13:45)~林道出合(14:39)〜倉見登山口駐車場(15:48)

メンバー 13人
天      気 晴れ
交通手段 マイクロバス
装      備 雪山日帰り基本装備(アイゼン、ワカン、防寒具)
入      浴

なし

福井県三方上中郡若狭町と滋賀県高島市との境に位置する三十三間山。「三十三間」というキーワードを聞けば、京都に住む者なら誰でも三十三間堂を思い浮かべると思います。やはりと言いますか遡ること1164年、後白河上皇が平清盛に命じて造らせた三十三間堂の棟木に、この山から切り出された檜が使われた事が名前の由来になっているそうです(諸説あり)。

さてこちらのお山、ちょうど一年前にK村さんが今回と同じコースでの雪山山行を企画してくださいましたが、その日は悪天候の為行き先変更に。県境稜線からは美しい眺望がひらけていて、特に雪の頃の稜線歩きは素晴らしいと伺っていたので、その時からずっと心に残っていました。ちょうど1月に平日山行の定例担当が回ってきた事、また私以外にもこの山域への山行を希望している方がいらっしゃった事もあり、初めての定例担当でしたが思い切ってこちらのお山で雪山企画を上げさせて頂きました。

企画を上げてからは雪の状態に一喜一憂する日々。今年は雪が多いとの予報でしたが、クリスマス寒波が過ぎ去ってからは思いの外暖かい日が続き、昨年は腰まで雪に埋まった比良山系や鈴鹿山系からも上がってくるレポートは雪が溶けてなくなっている情報ばかり。果たしてこちらの山域は雪が残っているのか?不安なまま山行当日を迎えました。

山科駅前7時集合、倉見登山口近くにある駐車場には9時前に到着。予定通り9時にメンバー13名で登山口を出発しました。前情報では登山口からしばらくは雪がないとの事でしたが、林道を歩き、最後の水場を過ぎ、支尾根に取り付いて夫婦松に到着するまで全く雪は無し。しかしそれも幸いし、想定よりも速いペースで登って来られた事で、雪の状態によっては周回を諦めてピストンで下山しようと考えていた行程を、当初のプラン通り進められそうな状況になってきました。

支尾根を三十三間〜轆轤山の分岐まで突き上げていくうちに雪がじわじわ現れ、それまでどんよりとしていた空も、雲間からチラリと青空が顔を覗かせています。雪の状態はザラメ状で少し固まっていて、アイゼンを使用するか迷いましたが、必要な方だけに装着して頂き、そのままツボ足で山頂を目指す事にしました。

風神を過ぎるとすぐに県境稜線に到着。この県境稜線に飛び出した途端、一気に展望が開けて思わずわぁ!と感嘆の声を上げてしまいました。西方向には三方五湖や若狭湾がどこまでもクリアに見渡せ、東方向には三重ヶ嶽、武奈ヶ嶽などの雄々しい山並みが静かに佇んでいました。この主稜線から三十三間山山頂へは滑らかなS字を描く道が続いています。先ずは山頂まで登り、そこでアイゼンを装着。その後同じ道を少し下った眺望の良い場所で昼食休憩をする事にしました。稜線に出た頃には空は胸をすくような青空。大晴天の下、ぽかぽかと日向ぼっこをしながらのランチタイムとなりました。しかもこの日、驚いた事に風がほとんどありません。雪山において稜線上にいるにも拘らず、寒さ知らずでゆったり休憩を取ったのはこれが初めての経験でした。

また、どんよりとした曇空の日が多いと伺っていたこの山域。福井県の日照時間(量)を調べてみると、1984年~2013年という古いデータですが、30年間の平均日照時間ランキングでは47都道府県中43位!殊に1月は酷く、全国平均の半分の日照時間しかありません。当日まで雪の状態とお天気には気を揉みましたが、こんな素晴らしい快晴に恵まれたのは本当に嬉しい誤算でした。

昼食休憩後は、予定通り轆轤山を回って周回で下山。途中希望者にはワカンに履き替えていただき、アイゼンやワカンの練習をしていただけたのも良かったです。

雪があってはルーファイが難しいだろうと想定していた道も、主稜線から外れると予想通り雪はなく、スムーズに進めました。林道まで下り、しばらく進んだ地点でK村さんがショートカットの道を提案してくださり、大幅に時間短縮出来た事は大変助かりました。こういう下調べも念入りにしておくべきだという事を学ばせていただいた出来事でもありました。

今回K村さんのお力をお借りし、マイクロバスを利用しての山行となりましたが、有難い事にバスの定員である13名の方々にお集まり頂き、無事に楽しく山行を終える事が出来ました。

初めての定例担当という事で、右も左も分からない私でしたが、K村さんをはじめ、諸先輩方には準備の段階からたくさんのアドバイスやサポート頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。

以前会長から「先頭を歩く者は登山者、その後ろをついて歩くのは登山客」という言葉を頂いた事があります。今回は先輩方に甘えて先頭を歩いて頂いた場面も多々ありましたが、少しは登山者に近づけただろうか?と、初めてのリーダーを終えた現在、色々振り返り反省点を洗い出しています。

リーダーを務めるという経験をさせて下さった諸先輩方、また今回ご参加頂いたメンバー全員に心から感謝申し上げます。

(S野)

 


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