山 行 日 | 2023年8月12日(土)〜14日(月) |
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山名・山域・県名 | 剱岳:富山県 |
目 的 | 夏合宿 |
形 態 | テント2泊3日間 |
コ ー ス |
1日目:立山駅(6:00)―室堂(8:20)-雷鳥平(10:00)―雷鳥沢―剱御前小屋(11:40)―剱沢キャンプ場(12:30) 2日目:剱沢キャンプ場(3:30)―剣山荘―別山尾根―剱岳頂上(7:45)―休憩―別山尾根―剣山荘(11:20)―剱沢小屋(12:30)―剱沢キャンプ場 3日目:剱沢キャンプ場(3:30)―剱御前小屋(5:15)-雷鳥沢―雷鳥平(7:10)―室堂(7:40)―立山駅(9:00)―称名滝(9:30)―グリーンパーク吉峰 立山吉峰温泉ゆ〜ランドで入浴・食事・解散 |
メンバー | 10人 |
天 気 | 晴れ |
交通手段 | 車2台、立山ケーブル、立山高原バス |
装 備 | テント泊装備、ヘルメット、ヘッドライト |
入 浴 | グリーンパーク吉峰 立山吉峰温泉ゆ〜ランド温泉 |
夏合宿の報告です。
北アルプス 剱岳 別山尾根ルートを剱沢キャンプ場テント2泊の計画で実施しました。
心配された台風6号通過と7号接近の合間を突くかたちで、幸運にも台風の影響を受けることなく、好条件の剱岳にメンバー10人(男性3人、女性7人)全員で無事登頂しました。
合宿なので、いつも以上にメンバーが1つの目的に纏まって行動することで、お互いから登山の多くを得ることを目指しました。そこで、合宿の準備段階からメンバー全員で役割分担をして主体的に準備をしてもらいました。準備のためには、合宿の全体計画や目的を理解し、其々のメンバーを意識してチームとして調整する必要が有ります。皆さんが能動的に行動して頂いた事で、狙い通りメンバー全員でつくりあげた、一体感のある合宿になったと思います。
剱岳は危険を伴う岩稜歩きも有るため、事前に岩稜歩きの訓練を金比羅山で実施しました。剱岳の岩稜を安全に踏破するうえで、この訓練は不安払拭と自信につながったのではないかと思います。特に今回は、岩稜歩きの基本に加え、鎖場での渋滞を想定して、スリングとカラビナのチェストハーネスによる自己ビレイの訓練を実施しました。50mロープを鎖に見立て、結び目でカラビナを掛け変える動作を納得するまで何度も繰り返し確認しました。お陰で剱岳では、落ち着いて安定した歩行が出来て、危険な状況は起きずに踏破出来ました。
事前準備から始まり、徐々に一体感を実感しながら全員で立った剱岳登頂は、喜びもひとしおでした。
●行程レポート
【前夜発】
・8月11日20時山科駅出発。室堂へは富山県側から立山黒部アルペンルートを利用のため、一路、立山駅に向かう。
・深夜1時頃、立山駅駐車場到着。
・車内で仮眠する者、野天で野宿する者、ツエルトを張る者と様々に夜明けを待った。満天の星空と流星に、天気が良さそうで一安心した。
【1日目】晴天で無風
剱沢キャンプ場までの歩荷。
・雷鳥平から別山乗越までは、標高差約500mをひたすら登る。たまにそよぐ風に心地良さを感じられる程度の気温で、皆、快調に剱沢小屋に到着。
・剱御前小屋で2班に別れる。1班5人は剱沢キャンプ場に下りテント設営。2班5人は別山南峰と北峰を経由して剱沢キャンプ場に向かった。
・今年の夏は暑過ぎる。標高の高い山でも例外では無いと聞くが、別山頂上付近の硯ヶ池には残雪が有った。触ったら冷たくて元気が出た。
・14時30分剱沢キャンプ場で合流し、15時から共同食の夕食準備に取り掛かる。
・雄大な剱岳を望みながらのカレーライスは最高。
・翌日の剱岳アタックに備えて18時就寝。
【2日目】剱岳アタック
・鎖場渋滞を避けるために3時30分テント場を出発。
・ヘッドライトを頼りに歩行開始、剣山荘を越えてヘッドライトでは危険な岩稜帯に差し掛る頃には空が明るくなる計算。
・頂上まで9箇所の鎖場を含め、気が抜けない場面が連続する。集中力を維持するため、20〜30分おきの休憩とキビキビとした指示・行動・返答を心掛けた。
・晴天で無風という良いコンディションに恵まれ、10人全員無事に登頂。達成感を味わった。下山も集中力を維持。
・剱山荘で体調と時間を確認して、当初計画していた剱御前を目指すか相談した。頂上でゆっくりしたこともあり、予定より時間が押していたので、剱御前山行計画は中止した。
・剱沢小屋でこの日の山行終了のミーティングをして、夕食準備までを自由時間とし、思い思いにくつろいだ。
・流れる雲に隠れたり出たりと幻想的な剱岳を望みながらの共同食の夕食パスタは最高。
・19時就寝。この頃から徐々に風が強くなり、やがて雨となった(雲の中に入った。)
【3日目】下山
・少し雨が残る中、テントを撤収して3時30分に出発。
・カッパを着てヘッドライトで歩き始めた。暫くして登山道を見失い少し道をそれた。程なく登山道に復帰したが、霧のなか広いガレ場のヘッドライト歩きは、踏み跡が分からずらい。あらためて難しいと感じた。
・7時40分には室堂に到着し、9時に立山駅に到着。
・帰路で、称名滝を観光した。圧巻のスケールに感動した。
・温泉で汗を流し、車2台に分乗するため、ここで合宿を終了し解散しました。
・21時には全員の無事帰宅を確認し、ひと安心。
・反省点も有ったと思います。今後、其々の山行で合宿での経験を活かし、会全体にひろめて下さい。(O西K)
●合宿初参加メンバーの所感
剱岳は憧れるけど無理かな、だいぶ先かなとぼんやりしたイメージだったが、合宿先がそこと知ってから俄然具体的に考え始めた。駐車場からの全行程の様子、CT、標高差など確認し日帰り低山しか経験ない自分は何をするべきか、できる限りの練習を始める。途中体調不良もあり期間は短くなったが木曽駒ヶ岳に行き車中泊も経験し、そこからの登りで体調はどうか、高所順応はどうか、岩登り訓練参加、歩荷練習(愛宕山では会員のMさんが付き合ってくれた、感謝!)、筋トレなどできる事をやってみる。こんなに集中したのは受験以来かも。1つでも自信なければ辞退もするしテン場でお留守番してもいい、近くで見たいですと会長に意向を伝えた。そして念願かない登頂でき無事に下りてこられたのは、間違いなくメンバーさん達のサポートあってこそでした!短い期間では準備不足な点もあったからです。靴紐がほどけた時は結び方、テン泊のルール、歩き方等も教えて頂きました。核心部では1つ1つ丁寧にアドバイス頂き安心して進むことができました。山頂では皆さんのプレートを持つキラキラした表情が印象的!。リーダーを中心に常に意思統一がなされ、きびきびと全員が動くのも中にいて気持ちがよかった。グループ山行は達成すると喜びが何倍にもなるんですね。最高の北アルプスデビューができました、ありがとうございました。(O智)