山行日 2014年4月13日(日)
山名・山域・県名 皆子山(971.5m)
目的 新会員の為の近郊の名山シリーズ①、京都府最高峰に登る
形態 日帰り山行
コース 7:15八条口発=R367=8:15平バス停2台合流一台駐車=8:20足尾谷口一台
駐車、8:40出発…崩れた林道…発電所…9:10最初の渡渉…9:20第二の渡渉でアクシデ
ント…9:50第三の渡渉…9:55ツボクリ谷出合…倒木、釜滝左から巻く…10:45美しい
釜滝右の岩から巻く…トチの大木1…11:25トチの大木2道標、枝谷へ…急登…12:25皆
子山△(971.5m)残雪有り、昼休憩、13:05下山開始…東尾根…14:35平バス停着=
14:50足尾谷口=15:15伊香立“やまゆり荘”入浴=17:00三条京阪解散
メンバー CL:雅、S字、N上、М本
天気 曇り
交通手段
装備 冬期日帰り装
入浴 無し

この春の新入会員の多くはまだまだ登った山の数が少なく、ガイドブック等で定番の近郊の有名な山も未だ手付かずだと聞いた。そこを蔑ろにしておくと、せっかく山岳
会に入ったというのに、山の一般常識が欠落した山屋のままで一生を送る?ことにもなりかねない。そこで、スローペースでもいいから、一つずつ近くの名山を踏んで行
く作業を始めたいと考える。

手始めに、京都北山。中でも府の最高峰である 皆子山 を目指す。残念な事に、北山は近年林道が方々に延びて興が醒め、さらにヤマビルが蔓延したりして晩秋から初
春に掛けての時季にしか入る気にならない。今の4月の内に京都府一の山をやっつけておこうという狙いである。

採用したルートは、皆子のクラシックルート、足尾谷。ここ最近、遭難事故が多発しているルートであり、2年半前に通った時には既にかなり荒れていた。私としてはそ
れなりの心積りをしていたし、新会員には事故に至る要因を孕んだ現場にも触れていおいて欲しいと思った。しかし、近年の台風や大雨の爪跡は想像以上に深く、2年半
前の印象すらまだずっとましなものに感じられた。木橋は流され、岸は削られ、斜面は崩れ、倒木は横たわり、最早一般ルートの体を成していなかった。

足尾谷の林道口に“通行禁止”の黄色テープが張られていたことを思うと、公的に危険性は告知してあったと見做されるものの、それは車両に対してのものとも見受けら
れたし、登山者の入山を思い止まらすまでの具体的な警告とは思えなかった。(勿論、これは勝手なこちらの言い分であるが。)

しかし、この日我々以外に足尾谷から入山したパーティが、道に迷ったり、引き返したり、立ち往生したりしていた現実があった。挙句には救助を要請したパーティもあ
り、帰り際車を取りに谷の入り口に戻ると、消防車3台、救急車1台、パトカー1台が物々しく集まっていて緊張が走った。(幸いにも軽傷程度で救助された模様)

問題は、このルートがエアリアマップ等でで一般ルート扱いのままになっている事だ。我々が谷の途中で出逢った若者3人組は神戸から態々やって来て、手の中のスマ
ホの画面に写し出されたエアリアの赤いラインのみを頼りにして、道を見失い引き返そうとしていた。登山専用の地図を頼りにするのは当たり前である。

京都で一番高い山だから、という動機で入山する人は多いはずで、京都の山学会の末端にいる者としては、このままでいいはずはないと憂いを禁じえないが、何もできな
い無力さも痛感する。

そんな悪条件にも拘わらず、我等の女子フレッシュメンバーは果敢に挑んでくれた。
恐怖の渡渉も高巻きもなんのその。ジャンプの飛距離が足らずに背中からドボン!という場面もあったが、他の2人が自分が落ちた時用の替えの衣類を出し合って見事復
活。女子力逞し。私は無力でした。渡渉があるのが判っていながら、予備服の用意を怠り、指示もしなかったのは大反省点だった。

頂上はYМCAの子供たちを含め大勢の人で賑わっていた。皆子の他の二つの谷ルート、皆子谷、寺谷からの人もいて、口々に谷の荒れ様の酷さを訴えていた。子供たち
は東尾根から登って来ていた。私が、新人たちと皆子山に来たのは、登りを谷筋で苦労しても楽な尾根で降りられるとの算段からだった。実際、東尾根と足尾谷とでは安
全面と楽さで天と地ほどの違いがある。このメリハリも楽しんでもらえたら嬉しい。

この悪路を無事踏破し、怪我なく笑顔で下山した新人たち、大したものである。

      ( 雅 記 )


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