山行日 2014年11月30日(日)
山名・山域・県名 皆子山(971.5m)
目的 京都府最高峰の古くからのルートを整備する
形態 足尾谷ルートピストン
コース  7:20雅宅前発=8:10坂下、足尾谷口駐車、8:20出発…8:35中村発電所…9:25ワリ谷出合…9:45KRAC芦火小屋通過…10:00ツボクリ谷出合(道標札設置)<30分>…11:00倒木の3m滝…11:205m滝左岸の岩から高巻き…11:30県境の谷出合…11:40大木①…12:00大木②…12:05大木③広場、直登谷出合(道標札設置)<15分>…12:35四つ目の二股、谷外れ斜面直登…皆子山△(971.5m)<35分>…ピストン…14:10ツボクリ谷出合…15:20足尾谷本谷出合…16:00駐車地着=17:20京都着  
メンバー CL:Y村、Y里 計2名
天気 晴れ後曇り、帰路小雨
交通手段
装備 日帰り基本装備
入浴 無し

 4月に新人さんを京都最高峰に立ってもらおうと皆子山を目指した。ついでに、最近遭難の報告が多い“足尾谷ルート”がどんな現状なのかメンバーに知ってもらおうと態と足尾谷ルートを登路に選んだ。その結果、予想以上に荒れた状況で我々も苦労したし、その時入山していた他のパーティも退却、道迷い、或いは救助要請する、という現実をまざまざと見せつけられた。皆子山は京都で一番高い山という冠を被りそれなりの知名度もある。さらに足尾谷ルートは、いまだにどのルート紹介本を見ても一般ルートとして紹介されている。登ろうと考える人は多いはずだ。世の中への広まり方と現場の状況にかなりのギャップがあると強く感じられた。 

 何とか出来ないかなあ、とただ漠然と思っていると、10月の岳連の“安全登山の集い”で道迷いの専門家:青山千彰先生の講演を聞きに行ってくれ、そこで「もっと山岳会の人に道を整備してもらいたい」と言われた俊さんが、「足尾谷整備に行きましょう」と一言。背中を押してくれた。

 整備と言っても、木を切ったり石を動かしたりはとてもできないので、・分岐点を明確にする事、・出来るだけ安全に通過できるトレースを示す事、に絞った。方法としては赤布と赤ビニールテープで渡渉点や巻き道を示し、迷う可能性のある二股に木片に文字を彫り込んだ道標札を設置した。(ツボクリ谷出合、直登谷出合の二か所)

 登山コースにテープ等の印を付けることには、自然破壊という観点から批判も多いのは承知の上だった。また、テープを付けた枝が今後折れて有らぬ方向に流れてしまったら、それがさらに混乱を招くという事も考えられる。しかし、足尾谷ルートの今そこにある危険に対しては、まずルートを外さずに踏破出来るようにする事が最良かと判断した。結果、60本程のテープ、赤布を付けた。
 敢えてルートをピストンしたのは、登りで付けた印が下りでどのように見られるか、どのような効果を保っているか、を知りたかったからだ。自分たちで付けたテープを見落とし、登りと違う踏み跡で下る事がしばしばあったのはとても興味深かった。ただ、荒れた谷ルートは、渡渉した方が楽なのか、高巻いた方が安全なのかを選択する場面が何度もあり、それを我々が判断する事は不可能で、歩く人に任せるしかなく印は付けなかった。
 
 雪が降ってしまえば足尾谷ルートに入る登山者はほとんどなくなるであろうし、テープと赤布の効果は春からにならないと判らない。単なる自己満足で終わるのかも知れないが、それでも良い。山岳会の遭難対策に関わっている者として、漠然とした思いを行動に移せた事で充実したし、新しい観点から登山ルートを見られて大変勉強になった。仲間に感謝したい。
 また今回、皆子山頂上で“北山クラブ”の会長との素敵な出逢いがあった。北山の主峰で北山研究の第一人者にお逢いできて幸運だった。   ( 雅 記 ) 

 10月15日の「安全登山を考える集い」に参加した時に講師の青山教授がおっしゃっていた話に強く感銘を受けた。
「道迷いを減らすことは難しい問題ではない!山岳関係者がどこまで登山道を整備するか、そのやる気にかかっている!」という言葉に感化された。(道迷いは遭難の原因の42%)
前回、4月に入山された会長同行のもと現在通行が困難となっている足尾谷のコースを少しでもわかりやすくし、道迷いによる遭難を減少しようとする試みにチャレンジした。
「4月13日の皆子山報告」
「皆子山/足尾谷登山道の状況」
渡渉ヵ所に橋をかけたり道を切り開くようなことは出来ないが通過が困難となっている所の迂回路を導いたり案内プレートを設置する作業を行った。
詳しく述べると、間違って侵入しそうな谷へ行かないように閉鎖する×印の設置や正しいコースに導く為のケルンや赤テープ、赤布を60ヵ所ほど取り付けた。また、分岐には会長手作りの道標プレートを立木に針金で固定した。
遭難対策目的での登山道整備活動というのはゼニーツでは初めての試みだそうだ。
賛同してくれたことがとても有難くこの種の試みが今後も何らかのかたちで継続していくことができれば良いと思う。
今回の経験は私にとってかけがえのないものとなり、このような貴重な機会 を与えていただいたことに心から感謝したい。         (Y里)


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