山行日 | 2014年12月7日(日) |
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山名・山域・県名 | 観音岳(605.9m) |
目的 | 行場巡りで岩場の通過を練習する |
形態 | 日帰り山行 |
コース | :7:10八条口発=京都東IC=土山SA=松坂IC2090円=県道59=県道45=9:00県道路面凍結の為引き返す=10:00松坂市森林公園、協議の結果目的地変更(伊勢山上?観音岳)10:20公園出発…10:35展望台…12:00石祠…野鳥の森登山道分岐…白米城分岐…12:20観音岳△(605.9m)絶景、天才少年との出逢<50分>…13:10野鳥の森道分岐…13:35ゲジゲジ峠…13:45小滝…13:55大滝…14:15ゴンジャ岩分岐…ゴンジャ岩?…14:45森林公園着、スリング講習<35分>=16:05松坂アドバンスモール“スーパー銭湯 鈴の湯”620円=往路を戻り=19:20八条口着 【日帰り 山行4時間37分 休憩45分 合計5時間22分】 【所要時間】Sスタート地点119分観音岳158分ゴール地点G 【通過時刻】Sスタート地点10:15~12:14観音岳12:59~15:37ゴール地点G |
メンバー | CL:雅、S古、S字、T崎、N泉、N上、М本、Y里syun、体験参加者2名 計10名 |
天気 | 晴れ |
交通手段 | 車 |
装備 | 日帰り基本装備、防寒対策、150㎜スリング×2、安環カラビナ×1 |
入浴 | 松坂アドバンスモール“スーパー銭湯 鈴の湯 |
この12月の定例は私の担当で、先月播磨アルプス(高御位山)の岩歩きの次の段階として、両腕も使った軽い岩登りを経験してもらおうと考えた。
その舞台に選んだのは、行場巡りで有名な“伊勢:伊勢山上”。役行者(えんのぎょうじゃ)によって開かれたという修験道の岩場である。
クサリ場が連続し、巻き道はあるものの所々“塩っぱい(ヤバイ)”壁があるらしい。そこで参加会員には、入会時会から支給したスリングとカラビナを必ず備えるようにと連絡した。また、一人ひとり岩場を通過するので待ち時間があると予想し、防寒対策もお願いした。
さらに今回、久々に体験参加を希望される方お二人を迎えることになった。本当に久々の事なので嬉しく、この日一日を大いに盛り上げ安全に行動し無事に帰って来られるよう気合を入れた。
総勢10名が車二台に分乗し伊勢に向かう道中はすぐに賑やかになり、話し声は絶えなかった。ところが、高速を降り県道45号に入り堀坂峠に登る途中、路上に雪が付き始め日陰になったヘアピンで凍結してしまっていた。タイヤは空回り。登らない。タイヤチェーンは不携帯。話し声もストップ。天気は好く、気温も上がって来て、雪は融け始めてはいたが、3回のトライでも登らない。すぐに道路管理の職員が融雪剤を軽トラックで撒きに来た。聞けば、こんなに早い時期に凍結するのは初めてで、今年の分の融雪剤は準備しておらず、今撒いているのは去年の残りだという。堀坂峠までも撒く分量はないと。
読みが完全に甘かった。その週は寒波が押し寄せ、列島の北と日本海側が荒れていた。さらに何と意外にも四国徳島と愛媛の山間部に大雪が降っていた。下関から四国に延びたその前線の末端が、紀伊半島の東側まで達してしまっていたのだった。迂闊であった。
今回は岩場初心者も体験参加者もいて、伊勢山上の壁でたとえ「恐い、嫌だ」とギャーギャー喚かれても、時間を掛ければ引っ張ったり吊り下げたりして無事通過させる自信はあった。しかし、対策なしの車で雪の峠を禍なしで通過する自信はない。雪解けを待つには時間が掛かる。………引き返す。
麓に駐車場完備の“松坂市森林公園”があり、そこに入って10人で協議。伊勢山上を断念する。
急きょ代替案として森林公園の裏山“観音岳”を登ることに決定。ここはその向かいの堀坂山と繋げてゼニーツの個人山行で登っている。整備された登山道がある。地形図は準備していなかったが、森林事務所にハイキングマップが用意されていてコピーをいただく。計画変更は本来は御法度。軽登山でも慎重に行く。
岩登り中止にガッカリした人よりもホッとした人の方が、どうやら圧倒的に多かったらしく、登り出すとメンバーの口元がまた軽やかに動き出した。コースリーダーをN泉氏に任せると、他は足より口が先に出た。快適に尾根道を行き、2時間程で観音岳頂上に到着する。伊勢湾方面の展望が抜群であった。
眺望と同じくらいに感動したのが、頂上で出逢った小学4年の少年。岐阜から来られた父子二人である。このパーティのリーダーは少年。お父さんは嫌々付いて行く。凄いのは完璧な計画書で、少年の手による。コースなど勿論の事、車でのアプローチの時間、装備チェック表、日の出日の入りの時刻等々、驚くほど詳細に手書きで書き込んである。驚嘆。ゼニーツ全員、平伏すしかなかった。どうかこのまま登山家としてスクスク育ってくれよと、負け惜しみで急に親のような立場にスタンスを変えた。それはそれは清々しい気持ちになった。
下りは森の中のトラバース道をゆっくりクネクネと歩いた。小滝、大滝の通過では、大滝が小滝より貧相だとクレイムを付ける余裕であった。
公園に戻ってから、道具を持って来たのだからせめてと思い、スリングと安環カラビナで簡易ハーネスを作るミニ講習をして、伊瀬山上中止を胡麻化した。
車の装備不足で目的地変更となり、後悔が残った。(syun号にはチェーンがあった)伊勢山上をずーっと楽しみにしていたメンバーもいただけに本当に悔しい。
「T崎さん、御免ね」
また、岩場回避にホッとしたメンバーが多くいた事、私は忘れない。いつか、覚悟しなさい。
体験参加の方にとっては、見ず知らずの者に命を預けるのだから迷惑な話で、結果観音岳が好かったのだと思う。これに懲りずに是非また参加していただきたい。
( 雅 記 )