イブネ、クラシ

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山 行 日 2023年6月3日(土)
山名・山域
・県名
イブネ(1160m)、クラシ(1145m)
鈴鹿山脈
滋賀県
目  的 鈴鹿山脈の奥座敷、イブネの苔の風景を楽しむ。
形  態 日帰り山行
コ ー ス 山科駅松屋前6:30集合〜甲津畑8:00過ぎ登山開始〜桜地蔵〜蓮如上人遺跡〜杉峠(千種越え)〜佐目峠〜イブネ〜クラシ〜イブネ北峰で昼食〜ピストン〜下山17:30〜山科駅19:00頃解散
メンバー 10人(男性3人、女性7人)
天  気 曇のち、快晴
交通手段 車2台
装   備 日帰り基本装備
入  浴 なし

 

ゼニーツでは前年度にあたる、私の担当する4月定例山行を雨乞岳に決める際に、同行したメンバーから「イブネまで(雨乞岳と近いので)に行かないの?」と聞かれた。「イブネ?行ったことがないし、素敵な山と聞いているから、6月の定例はイブネだ!」と安易な気持ちで決めた。頼りがいのある会員から「配車協力するよ!」とお声掛けいただき、3月総会時に他のメンバーに(強引に?)配車依頼。定例山行で定員10名は少ないだろうか?  と一瞬思ったが、4月の雨乞岳山行は22名が参加してくださり、有難いと同時に、私はいっぱいいっぱいで終いに訳がわからなくなったので、今回の10名は妥当だと思った。

定例山行日前は雨が続き、最近入会された方が3名参加されるので、参加メンバーに蛭対策を発信した。メンバーから、ストッキング着用で蛭対策になると聞いて試してみることに。台風2号が通過し、明け方まで雨が続くので、渡渉が心配になった。参加メンバーから、10mロープを持参してくれるとのこと。現地まで行って、渡渉が無理なら引き返そうと決めた。私は現場まで行って納得したいのだ。メンバーも同意してくれた。

今回の最大の難所の渡渉、水量多く、水の流れが激しい。渡れる箇所を探し、スリングを木の幹に結び、渡渉の準備。男性陣が先頭を立って歩いてくれ、導いてくれた。新入会の方も臆せず渡ってくれ、一安心。「度胸があるな〜」と感心しきり。

渡渉以外はコースタイムは長めだが、非常に歩きやすい道。この時期山芍薬が咲いているかも、とメンバーから聞いていたので、目を凝らして歩いた。見つけたが固い蕾だった。残念。イブネでテント泊を希望しているメンバーが探していた水場も見つかった。

今回の私の課題点。途中、先頭を変わってもらったが、分岐は立ち止まる事を伝え忘れ、グループが別れてしまった。前会長の「安全登山のルーティン」(項目中、分岐は立ち止まり確認!がある)をトイレの壁に貼り、毎日読んでいるのに、メンバーの所在の確認を怠ってしまう事、山行中に集中力が切れてしまう事を反省している。

初めて来たイブネの景色は素晴らしいの一言だった。本当にモフモフ。久しぶりに「本当にいい山に来た!来て良かった!」と思った。4月に私の定例山行で登った雨乞岳が、堂々とそびえ立ち、時々かっこいい鎌ヶ岳が見える。台風の影響で不安だったが、山行決行の決断時に「リーダーに付いていきます!」と後押ししてくれたメンバーに感謝。他のメンバーも(新入会の方は特に不安だったと思う。)途中撤退かもしれないのに、皆来てくれ感謝。頼もしい男性陣の活躍に大感謝。貴方達がいたから、イブネ山頂に立てました!    H田

■新入会メンバーの所感をご紹介します。

•急遽、自分で出した地図がA4で見にくく、YAMAPに頼ってたのに、コースミスに気付きませんでした。リーダーが一番前を歩きたい人は居ますか?と問いかけに、挑戦しようかなと思いつつ躊躇してしまいました。新たに知った渡渉の対処、技術や経験を改めて身に付けたいと思いました。M宮記

•6月の定例 イブネはとても楽しみにしていた山行でした。
そして今回、私自身の課題が遅れる事なくメンバーのペースについてゆく事。
前日の大雨のせいで不安はあるもののリーダーの判断を信じて入山。
川の増水により行く手を阻まれるが、諸先輩方の豊富な知識と臨機応変な対応のお陰で全員が無事渡渉。貴重な経験ができた。
杉峠を後に尾根道を少し登ると頭上に広がる雨あがりの澄み切った青空と鈴鹿の山々の景色に感動!「来てよかったね…」と掛けられた言葉に満面の笑みで応えていた。
山をもっと楽しむ為に総合的な知識、技術を高めなければならないと実感し、学ぶ事が出来た山行であった。少しずつ色々経験を積みレベルアップ出来るようにもっと積極的に山に登ろうと思う。M記

•経験の浅い私にとって、同じ鈴鹿でもこんなにも違う景色が見られた事に感激しましたし、今までの中で1番長い時間歩けた事、増水した川の渡渉、ヒル対策、と小さい前進ですが次に向けて良い糧となりました。ありがとうございます。またある方の投稿より、山頂は昔深い笹薮に覆われていたという植生の変化を知り、複雑な思いを抱きました。他にもリーダーが常に周りに気を配られる姿など、大勢でいく山行は沢山の気付きや刺激を与えてくれました。これから登山技術だけでなく、山を通して人として成長していけたらと思います。O智記

■入会2年以降のメンバーの所感をご紹介します。

•前日の大雨影響による渡渉やヤマビルの心配はあったものの、熟練者がスリングやロープを持参し、蛭対策の情報を事前に共有するなどして臨んだ。誰か1人(例えばリーダー)に、多くを求めるのではなく、単独登山の意識でそれぞれが関わる事で、現場でのミスも道迷いも全部、学びが自分の血肉となる。

追記、往きと違うルートをとった為に、対岸まで無事渡れて一安心したのも束の間、山道に登ろうと足をかけた際、斜面が土砂崩れで30cm大の石が落下し、太ももに直撃して脚を痛めた。H原記

↑(H原さんは、内出血等なく順調に回復されています。)

•前回イブネに行ったのは2017年11月。 山に登りはじめた頃で体力もまだなくついていくのがやっとであった。当然読図に関してもレベルが低く、山頂の地形を読み取ることができなかった。今回自分の課題としてはイブネ、クラシの山頂のなだらかな地形がきっちりと読図出来るかどうかであったが、残念ながらコースミスをしてしまった。幸い早めに気がついたが、思い込みで初歩的な確認をしていれば防げたミスであった。←すみません!H田 
また一つ教訓となった山行であった。I本記

•鈴鹿山脈の最深部、イブネ、クラシ

「イブネ」とは「伊船」と書き、その姿が船を伏せたような形をしていることから、名付けられたという説がある。
「クラシ」は「クラシシ」に由来していると言われている。
「クラシシ」とはニホンカモシカの別名だ。

甲津畑の登山口からイブネ、クラシまで約9kmと遠く、長い距離をかけてゆっくりと標高を上げていく。
途中何度も渡渉を繰り返す。
前日の雨で川の水量が多く、渡渉に時間がかかった。
通常であればもイブネ、クラシまでもっと楽に登れるであろう。

このコースは沢沿いに広葉樹が広がる。
新緑の広葉樹は秋、錦織りなす風景に変わるんであろう。

長い沢沿いのコースを杉峠まで上がると、方角を北に向け、尾根道に変わる。
ここからイブネまでは、あともう一踏ん張りだ。

尾根道に上がるとパッと視界が開け、御在所岳、東雨乞岳、雨乞岳、綿向山、鎌ヶ岳が徐々に姿を現す。
ぐるっと周りを鈴鹿の山々に囲まれ、自分が鈴鹿の最深部に来たことを実感する景色だった。

イブネの山頂は台形型で苔の絨毯がどこまでも広がる。
現在は植物養成のため登山道にロープが張られ、テント泊も許可制に変わった。

鈴鹿の喧騒を離れて、落ち着いた時間を過ごせたかつてのイブネ、クラシも、情報の拡散によってたくさんの登山者が押しよせ、奥座敷の風情が失われているように感じた。

イブネから北東にクラシが見える。
イブネから少し足を伸ばせばクラシ、イブネからクラシまでは容易に辿り着ける距離だ。M岡記

•①良かった点
✅事前にリーダーから、大小さまざまな視点での情報共有があったこと。
✅渡渉がありましたが、メンバー全員踏破できたこと。
✅良いコンディションでイブネの風景に出会えたこと。 

②課題と感じたこと
✅イブネ北峰からの歩き出しを間違えたこと。→ピークでの次の歩き出し方向確認が徹底できてなかった。
✅パーティ隊列が前後に長くなったこと。(先頭の位置が把握できない場面も)A田記←反省!H田

■ 追記

今回、参加メンバー全員が所感を寄せてくれた。「稚拙な文章なので、掲載不可」という方もおられたが、全然問題なく、素直な感想で好印象だった。

 


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