山行日 | 2015年12月29日(火)~30日(水) |
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山名・山域・県名 | 西穂高岳(2,909 m) |
目的 | 厳冬期北アルプス登頂 |
コース |
【29日】 【30日】 |
メンバー | Y里(L)、O西 |
天気 | 29日曇り雪、30日快晴 |
交通手段 | 車 |
装備 | 雪山基本装備、アイゼン、ピッケル、ヘルメット、ハーネス、ロープ、ゴーグル、ワカン、アタックザック、オーバーグローブ |
入浴 | 奥飛騨温泉郷平湯温泉「ひらゆの森 |
昨年に引続き今年の年末も厳冬期北アルプスに行くことになった。
今回はO西さんと一緒で彼も冬期北アルプスに憧れを抱くメンバーの一人。行先は西穂高岳。
新穂高ロープウエイが運行しておりアプローチが良く、西穂山荘は北アルプスで数少ない冬季営業小屋である。
独標より先の西穂高岳は夏でもそれなりの技術力が必要とされる山域で直前まで独標までにするか西穂まで行くかの思案の葛藤を続けた。
目指していいものかどうか不安もあったが、せっかくO西さんと一緒に行くので天候が良ければ西穂までの条件で行くことにした。
昨年同様、今年の山行も天候を見極めて日程を調整し、小屋の予約を変更しながらまさに天候の間隙を縫うように晴天を狙って計画することができた。
29日は寒い車中泊を避けてロープウエイ始発の時間に合わせ深夜3時に出発した。降雪があり観光客と一緒に乗車待ちをするのだがスタイルに極端な差があり異色である。
早い時間に西穂山荘に着きチェックインできたが5時半の夕食まで時間があるので耐寒訓練とアイゼン歩行練習をかねて降雪の中、丸山まで登る。
本当に明日は晴れるのかという天候だったが、夕食時に小屋のオーナーが明日は風は強いが晴れです。と言っているのを聞いて一安心。
30日小屋の周りはガスだが目指す山頂は晴れ渡っている。
丸山を通り過ぎたあたりからガスを越え晴天の青空が見えだした。暫らくすると朝日が凄い勢いでグングンと昇ってくる。
大迫力の瞬間だった。
そこそこの広さがある独標山頂では沢山の登山者が写真を撮っている。この日、二人で撮った写真はここでの1枚のみ。
これから先は核心部があり一瞬のミスも許されない。O西さんと集中力を統一してから西穂高岳登頂に挑んだ。
雪と岩のミックスは危険度も高まり緊張感もピークになる。また、雪が少なく尾根を迂回する巻道が数か所作ってあり何度か引き返してしまった。
とくに西穂高岳山頂直下の下りでは一枚岩の上に薄っすら雪が積っているだけなのでアイゼン、ピッケルが利かず非常に怖い思いをした。
結局、私たちには無理だと判断し、一旦登り返してルートを少し変更。危険個所を巻きながら降りることにした。(他の人は平気で下っていた様子?)
やっとのことで危険個所もすべて通過し、独標を下ったところでO西さんと握手を交わし厳冬期北アルプス登頂成功を祝った。
今回、思い切って西穂高岳まで足を延したが雪が少なくて予想以上に難しく冬の西穂高岳は熟達者向きのコースだとい言う事がはっきりと分かった。
しかし、今までの経験と、知識と技術を駆使してここまで来れたという達成感と自分の持つ実力が100%発揮できたことに満足している。『氷混じりの吹き飛ばされそうな物凄い強風』 『今まで見たことのない迫力度ある極寒の絶景』 『5時間程でくたくたになってしまうほどの緊張感ある行程』
かけがえのない貴重な経験ができた。
(Y里)