山行日 2021年11月27日(土)
山名・山域・県名 雨乞岳(△1237.7m)、鈴鹿山系 滋賀県
コース 武平峠西駐車場(840m)8:30…沢谷峠9:36…クラ谷分岐9:54…クラ谷道…七人山と東雨乞岳のコル11:00…往路をピストン…武平峠西駐車場14:43
交通手段
天気 雪、山頂付近は暴風
装備 日帰り基本装備 寒さ対策
入浴 アクアイグニス
メンバー 9人(会員7人、体験山行2人)
リーダー Mおか

雨乞岳は鈴鹿山脈第二の高峰で鈴鹿を代表する鈴鹿7マウンテンの一つ。今回の武平峠からのコースは山岳雑誌等でも道迷いしやすい登山道の一つとして記事に取り上げられている。地形図とコンパスを持って、現場を確認しながらどこが道迷いしやすいポイントなのかを検討しながら歩く。

 上記が今回の山行の目的であった。
山科駅を6:40に出発し、新名神甲賀土山ICで高速を降りて鈴鹿スカイラインで武平峠まで向かう。武平峠の駐車スペースに限りがあるため少しでも早い出発になった。もしもここに駐車できなければ、目的の山を変更する必要がある。

鈴鹿方面に近づくにつれて空が曇っていく。とうとう雨まで降り出した。鈴鹿スカイラインでは本降りの雨の中、車を走らせる。天気予報では鈴鹿方面は晴れ予定であった。山の天気は難しい。冬の雨の登山は身体に堪える。濡れたところが、冬の寒さでどんどん冷えていくから。こういう時テムレスはとても役に立つ。防寒な上に防水機能もある手袋。ゼニーツクラブでも愛用しているメンバーが多い。
 鈴鹿スカイラインの標高が上がるにつれて雨はみぞれに変わり、やがて雪に変わった。思わぬ雪にメンバーも喜ぶ。まさかこんなに早く雪山を味わえるなんて!

 防寒対策をして雪が降る中、登山を開始する。今日の目的は間違いやすいと云われる武平峠からの谷沿いのコースを地形を観察しながら読図して歩くこと。それが、間違いやすいと云われすぎてか、山中はピンクリボンとテープだらけ。これでもかという程目立っている。さらに真っ白な雪景色の中、登山道は踏み跡で茶色く目立っている。まるでカーペットを敷かれているかのように雨乞岳へ続いている。間違いやすい山は、間違いにくい山へと変わっていた。ただし地形はとても複雑だった。谷が入り組んで、渡渉やトラバース道も多い。トレースとテープがなければ、間違いなく迷ってしまいそうだ。

 今回の登山の課題は別にあった。コースは間違いようがないが、装備に問題があった。雪山を想定していなかったのでアイゼン等は持ち合わせていない。七人山と東雨乞岳のコルで少し早めの昼食休憩をとることにした。短い休憩を終えて東雨乞岳の尾根を登り始めると風は強くなり、寒さが増した。ガスが出てきて視界も悪くなってきた。頭上では風が轟々となっている。谷沿いの登山道と違い風が直接身体に吹きつける。まだ樹林帯の中なのに樹林帯を抜けた時、どんな風にさらされるのか。
登山道が凍りついて、数回転倒する。木の根が完全に凍りついている。登りなので転倒も大したことないが、この先の尾根伝いの下山が心配になる。この時点で尾根沿いの下山は半分諦めていた。雨乞岳山頂からのピストンに変更したとしてもこのツルツルに凍りついた登山道を先程のコルまで下って来なければ行けない。ノーアイゼンで下れるのか?雪はどんどん降り積もって行く。下れたとしてもかなり時間がかかる、さらに谷沿いの細いトラバース道を本格的な雪のなか慎重に下山しなければいけない。さらに武平峠からの帰りのスカイラインも心配だ。暗い雪道を鈴鹿市内まで走行しなければならない危険性もある。時間がかかるのは様々な意味でリスクが高い。まだ正午前、今なら時間はたっぷりある。時間をかけてゆっくりと安全に下山することに心血を注げる。他のメンバーに相談したところ、今回雨乞岳は諦めようと言う意見に一致した。そうなれば早速下山開始。体験山行の方2名に熟練メンバーが一人づつ付いてくれる。殿を安心して任せられるメンバーもいる。会員メンバーは雪景色を楽しみながら且つ慎重に下山してくれるので、シビアな下山にもならず雰囲気は明るいまま。

メンバーの協力のおかげで15時前には下山できた。予想通り、スカイラインも真っ白だった。鈴鹿市内は全く雪の雰囲気はない。先程までの雪が嘘のようだった。車窓から鈴鹿の山を見上げると雪化粧をしていた。


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