山行日 2015年8月8日(土)~11日(火)
山名・山域・県名 槍ヶ岳(3,180m)
目的 日本のマッターホルンを目指す
コース

【8 日】
自宅(7:00)⇒新穂高温泉(13:03)→笠新道登山口(14:40)→わさび平小 屋(14:53)(泊)

【9 日】
わさび平小屋(5:34)→小池新道登山口(5:58)→秩父沢出合(6:53)→鏡平 山荘(9:26)→弓折乗越(10:56)→双六小屋(12:38)→双六岳(14:36)→双 六小屋(15:31)(泊)

【10 日】
双六小屋(5:52)→樅沢岳(6:48)→硫黄乗越(7:33)→左俣乗越 (8:22) →千 丈沢乗越(10:00)→槍ヶ岳山荘(11:25)→槍ヶ岳(12:18)→槍ヶ岳山荘 (13:05)(泊) 【11 日】 槍ヶ岳山荘(6:04)→千丈沢乗越分岐(7:12)→槍平小屋(8:49)→穂高平小 屋(12:35)→新穂高温泉(13:21)⇒自宅(20:12)

メンバー K村(単独)
天気 晴れ
交通手段
装備 小屋泊基本装備
入浴 平湯の森

深田久弥は、『日本百名山』の中で 「富士山と槍ヶ岳は、日本の山を代表する 2 つのタイプである。一生に一度は富士山に登りたいというのが庶民の願いであるように、いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わない者はないだろう。すなわち、登山をしない者にとって日本を代表する山は富士山だが、登山を愛好する者 にとってのそれは槍ヶ岳である。」 と述べています。 今回は、その槍ヶ岳を新穂高温泉を起点に双六小屋を経由し西鎌尾根から目指すことにし ました。

【8 日】
7 時に自宅を出発し、高速も順調に流れ、途中高山付近で昼食を摂り、新穂高温泉の登山者用無料駐車場に車を駐める。今日はわさび平小屋までの 1 時間 20 分ほどの林道歩き。 思ったほど涼しくない。小屋に着いた時は汗びっしょりなっていたので早々に風呂で汗を流した。

【9 日】
準備整えて出発。わさび平小屋から左俣林道を歩き、崩落地を過ぎると小池新道入口 に着く。左俣林道を右に分けて左俣沢沿いの登山道に入る。左から流れ込む小沢を通り抜け、緩急を交えたジグザグ道を登って行くと秩父沢出会いに着いた。沢には木板が通されて容易に渡ることが出来る。沢風が心地良い。潅木帯のジグザグ道が続き、やがて視界が開けるとイタドリヶ原に出る。イタドリ原からの登路は傾斜がきつく、ジグザグ にゆっくりと高度を上げて行く。シシウドヶ原から潅木帯を登り上がると、小広くなった「熊の踊場」に出る。熊の踊場からひと登りすると鏡平池に飛び出した。雲ひとつない快晴の穂高連峰と槍ヶ岳が湖面に写しだされている。ガイドブックに載っているとおりの光景。鏡平山荘では多くの登山者が休憩しかき氷を食べていた。 弓折中段から弓折岳山腹の急斜面は、ごろ石混じりのトラバース道となって弓折乗越まで続く。トラバース道の最後の急坂を左に巻きこみ登り上がると弓折乗越に出る。背後の槍ヶ岳が美しい。弓折乗越から稜線をアップダウンしながら双六小屋へ。 小屋の宿泊手続きを済ませ、空荷で双六岳を往復するが、登っている時に槍ヶ岳にはガスがかかり、ガイドブックなどに写っている双六岳稜線からの槍ヶ岳は見ることが出来なかった。

【10 日】
まず、双六小屋から西鎌尾根の起点となる丸いなだらかな山容をした樅沢岳西峰へ登る。樅沢岳西峰から振り返ると双六岳から連なる三俣蓮華岳、鷲羽岳、真砂岳などの山々が朝の光を受け美しい景観を作っている。 樅沢岳西峰横の小ピーク・樅沢岳東峰は、南面をトラバースし、ハイマツ帯の中を抜け反対側に回り込む。正面には西鎌尾根が湾曲しながら槍ヶ岳に向け伸びているのがはっきり確認できる。しばらくアップダウンの少なり稜線が続き、左手には赤い岩肌が特 徴的な赤岳から硫黄岳に連なる硫黄尾根が見える。さらに硫黄尾根越に燕岳から常念岳へと連なる常念山脈が見えている。 左俣岳は飛騨側を巻き、そこから少し下った所に鎖場がある。簡単な通過のため鎖はほとんど使われず錆びついている。その後、比較的なだらかな稜線が続く。小ピークを 左から巻いて通過し、再び小ピークを左から巻いて進み、岩稜帯へと入っていく。岩稜帯には数か所に鎖が設置された通過があるが、どれも簡単で登山初心者でも難なく越えて行ける。 岩稜帯を抜けると飛騨沢へ下る千丈乗越に出る。千丈乗越からは奥丸山に至る中崎尾根が伸びている。千丈乗越からザレた斜面をゆっくりと登り、ろうそくの様に直立した大岩・ニセ槍 を越えた辺りから一気に傾斜が増す。ジグザグに切られた登山道を登るが、いつになると着くのか思えるほど苦しい登りが続く。ようやく槍ヶ岳山荘が建つ鞍部に飛び出すと、目の前に強大な三角錐の槍の穂先が現れた。小屋の宿泊手続きを済ませ、アタックザック、ヘルメットを準備して小屋を出て穂先に向かう。 昨日、双六小屋の前のテーブルで飲んでいる時に、他の登山者から、槍の穂先は 2,3 時間待ちが常態化していると聞かされていたが、穂先のルートは空いていた。30 分 ほどで山頂に立てた。山頂は快晴とは行かなかったがそれなりの眺望を楽しむことが できた。高度感がすごい。下山後、小屋の前のベンチで一人宴会に突入。明日は下山のみで当初の目的を達したの で、酒が美味しかった。

【11 日】
飛騨沢を下り、槍平小屋を経て新穂高温泉に戻りました。平湯の森で4 日間の汗を流して帰京。充実した山旅を終えました。

 個人的には今回 3 回目の槍ヶ岳でした、最初は 1998 年 8 月に飛騨沢から1 日で登りましたが、山頂まで短時間で達することはできましたが山頂付近まで槍ヶ岳は見えずロケー ション的にはもうひとつのコースでした。 2 回目は 2006 年 8 月に中房温泉から表銀座の東鎌尾根から登りました。稜線歩きを楽しみながら燕岳から槍ヶ岳をめざす縦走路は快適でした。 今回の西鎌尾根(裏銀座)も表銀座ほど人は多くなく、千丈乗越から槍ヶ岳に一直線に伸びる稜線が美しいコースでした。 今回も天候にも恵まれ心に深く刻み込まれた山行になりました。
              


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