山行日 | 2010年7月22日(木)~26日(月) |
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山名・山域・県名 | 五色ヶ原:薬師岳 |
目的 | ちょっとハードな、しかし好展望の北アルプス縦走路を歩く |
コース |
7/22(木) 7/23(金) |
メンバー | K村(単独) |
天気 | 22日晴れ、23日早朝ガスのち晴れ、24日早朝ガスのち晴れ、25日晴れ、26日晴れ |
交通手段 | さわやか信州号、タクシー、JR |
装備 | 小屋連泊装備 |
入浴 | 長八温泉『花の湯館』 |
7 月 22 日 天候:晴れ、猛暑
定刻の5分前に「さわやか信州号」は京都駅を出発。豪華観光バスに乗車は16名。リクライニングシートを倒して楽な姿勢で眠りにつく。
7 月 23 日 天候:早朝ガス、のち晴れ
高速道SAで時間調整をしながら「桂台料金所・ゲート」前に 5:55 に到着、定刻 6:00にゲートオープン「立山有料道路」に入る。美女平~弥陀ヶ原を登るにつれて、ガスはどんどん厚くなっていく。室堂バスターミナルに着くと視界は 100m 以下。ターミナル内の喫茶・休憩所で朝食を摂り、支度を整えて外へ。登るに合わせたようにガスが上がっていき、残雪を一杯拡げた室堂平を眼下にするようになる。しかし、立山三山・剱岳本峰はまだガスの中。稜線を南へ向かう。龍王岳は岩峰で、従ってその下りは岩がゴロゴロで急傾斜である。この頃から一気にガスが切れ出し、後立山の山々が見えだす。鬼岳を越え、獅子岳とのコルで昼食とする。昼食後の獅子岳の登りはピッチが上がらない。獅子岳~ザラ峠の下り道は水平距離約650mで310mの高度差である。ザラ峠から宿泊地の五色ヶ原山荘までは緩やかな登り道。花を愛で、残雪を踏んでの歩き。「五色ヶ原山荘」まさに原っぱのど真ん中の小屋である。『入浴』を済ませ、早速にビールを買い求めて、入山第一日目の終了となる。
7 月 24 日 天候:早朝ガス、のち晴れ
明るいガスの中、小屋を出発。緩い登りを鳶山へ。振り返ると、五色ヶ原の池塘に昇ってきた太陽が映し出され、二つの太陽が眩しく光っている。雪と緑と池塘のキラキラと舞うガス、なんとも幻想的な景色。行き先には緩やかな越中沢岳が大きく見える。その前に大きく急な切れ込みが、「越中沢乗越」への260mの下りである。乗越からほぼ同じくらい登り返して越中沢岳へ。ここから見る北薬師岳・薬師岳は、真ん中に金作谷の雪渓を挟んだ・先端の尖った双耳峰で、どっしりと構えた大きな山である。そして、その手前には今日の宿泊先である「スゴ乗越小屋」の赤い屋根が『点』になって見える。あそこまで行くのか!
北に目を転ずれば、五色ヶ原の後ろに獅子岳・雄山・剱岳・奥大日岳・大日岳が、その手前には弥陀ヶ原の台地が拡がる。東側の後立山から、8月に歩く予定の烏帽子岳に続く稜線は、山が陰になっていて山座同定が難しいが、それでも天狗の大下り~唐松岳~五竜岳~鹿島槍ヶ岳~爺ヶ岳~赤沢岳~針ノ木岳が同定でき、蓮華岳~船窪岳~不動岳~烏帽子岳なども何とか同定できた。越中沢岳~スゴノ頭~スゴ乗越への下りも500mになるもので、それもそこそこな急傾斜で苦労する。スゴ乗越からは樹林帯の中の道を、小さなコブを一つ越えて、あと一登りでスゴ乗越小屋である。
スゴ乗越小屋;小振りではあるが山小屋らしい小屋で、2 階の部屋に案内された。
外のベンチで二日目も“ビールで喉を潤す。
7 月 25 日 天候:晴れ
今日は朝から上天気。今日のコースは、北薬師岳までは高度差約625mの上り一辺倒。小屋からツガ・シラビソの中の道を間山を目指す、416mの登りである。間山の三角点はハイマツの原の中にある。ここからの北薬師岳・薬師岳は迫力満点である。白っぽい岩礫に覆われた薬師岳は、雪が無くても白い山である。東側すぐには赤牛岳~水晶岳の稜線が、遠くは雲ノ平越しに『笠』そのものの笠ヶ岳と、穂高連峰の岩稜が確認出来る。西にはまだ少し雪を残した白山も望める。写真・映像では味わえぬ贅沢な眺めである。釣り尾根の向こうに聳える薬師岳、つい鼻の先なのだが、これが意外と長い。日本百名山の一つ;薬師岳の祠の横で昼食タイム。遮るものがなく展望を楽しみながらの食事。
薬師岳から少し下りたところの、「愛知大;13名の遭難記念碑のケルン」と「1m強四方の避難小屋」を左上部に見て(―遭難稜線分岐部を避けるように巻道がつけられている。)、工事中の薬師岳山荘の横を通過する。この8月5日オープンとの説明であったが、“ほんまかいな?”の仕上がり・整備状況であった。薬師沢最上部の雪渓を下り薬師平へ。“ポケーと”のんびりしていたいところだが、間もなくの太郎平小屋へ歩を進める。
7 月 26 日 天候:晴れ
今日も朝から上天気。今日はコースタイム3時間30分の行程。「有峰・折立口 10 時」にタクシーの予約を入れている。一瞬“チョト早いかな?”と思ったが、5:30 に太郎平小屋を出発。所要時間の割りに歩く距離は長くただ下るのみ。昨日、薬師岳周辺から見ていた高原上の尾根の上につけられた、整備された登山道を、名残を惜しむかのように、後を振り返り・振り返り折立へ。
急ぐわけでもないのに、快調に歩いて、途中時間調整の休憩をはさんで下山口折立・駐車場に、コースタイムの 10 分遅れの 9 時 10 分に到着。予約のタクシーはまだだろうと、停まっていたタクシーに何気なく声を掛けたら、予約していたタクシーであった。早速にタクシーに乗り込み、9 時 30 分入浴すべき温泉へ向かってもらう。長八温泉『花の湯館』で5日間の汗と汚れを洗い流す。さっぱりしたところで、待っていてくれたタクシーに乗り込んで富山駅へ。駅ビル上の食堂で“無事下山をビールで一人乾杯!”とゆっくりと昼食を摂る。土産物を物色して駅ホームへ、始発「サンダーバード;指定席」に座り込んで、京都へ。
予想を超えた、ちょっとハードな北アルプスの縦走登山が、好天気にも恵まれ、無事終えられたことにほっとした。