別山〜白山(南竜ヶ馬場)縦走

アイコン

別山〜南竜 ニッコウキスゲのお花畑

別山〜南竜、ニッコウキスゲのお花畑

山行日 2021年7月31日(土)〜8月1日(日) 前夜金曜日出発
山名・山域・県名 別山(2399.3m)〜南竜ヶ馬場(2070m)縦走、両白山地、石川県、岐阜県
目的 個人山行、別山チブリ尾根から白山南竜ヶ馬場を避難小屋泊で縦走する
形態 避難小屋泊山行
コース

1日目:市ノ瀬ビジターセンター(830m)ー別山・市ノ瀬道ーチブリ尾根避難小屋(1900m)泊

2日目:チブリ尾根避難小屋ー御舎利山(2128m)ー別山(△2399.3m)ー大屏風ー油坂の頭ー南竜山荘ー南竜道ー砂防新道ー別当出合(1260m)

メンバー 3人
天気 曇り、雷雨
交通手段
装備 日帰り基本装備、避難小屋泊装備、多めの水分、雨対策、防寒着
入浴 白峰温泉 総湯 http://www.shiramine-m.com
チブリ尾根
 集合日(7/30)の朝、念のため南竜山荘のHPを確認すると7/29の昨日付で南竜ヶ馬場の野営場が臨時休園になっていた(コロナの影響)。本来の企画では別当出合までシャトルバスに乗り、南竜ヶ馬場でテント泊、翌日、別山方面へ向かいチブリ尾根を下山する(時計回り)の予定であったが、テントが張れない!ということでチブリ避難小屋泊、半時計周りのコースに変更した。
本来は長く美しいチブリ尾根をのんびりと下山する予定であったのが、登ることになってしまった(−_−;)
そして、避難小屋には水場がないため水も担ぐ、売店もないのでビールも担ぐ。テントがなくなるといえ、相当な重量になりそうだ。しかも市ノ瀬から登るので出発地点の標高も低い。長い、1日になりそうだ。
市ノ瀬ビジターセンターを5時20分頃出発した。天気は曇り。別山方面に行く人は少ない。水場があるコースタイムの中間地点まではなかなか高度をあげてくれない。斜度のゆるい登山道が続く。チブリ避難小屋までコースタイムで残り半分というところで最終の水場がある。ここの沢で避難小屋で調理に必要な水+明日南竜山荘まで歩く水を補給する。一気にザックが重くなる。そしてこの辺りから登山道に斜度が出てくる。二重にきつくなった。景色は植生が変わりブナ林となった。青紅葉もあり秋にきても美しいだろうなと思った。美しいブナ林を登っていくと、ダケカンバ、オオシラビソと植生がどんどん移り変わっていく。オオシラビソには沢山の毬花がついていた。オオシラビソの森を抜けると一気に視界が開けお花畑と変わった。斜度も緩くなり避難小屋まであとわずか。余裕もでてきて花や開けた景色を観察しながらのんびりと登った。曇り空のため日光も照りつけず快適。お花畑をしばらく歩くと赤い屋根のチブリ避難小屋に到着した。10時20分。
 
チブリ避難小屋
 トイレ完備の小屋。到着するとまだ誰もいない。まず、窓を開けて小屋の換気を始めた。私が荷解きをし始めるとA氏とI氏は丁寧に箒で掃き掃除を始めている。I氏は板間の隙間の砂ボコリまで丁寧に掃いている。A氏は窓拭きまでしている。なんとも綺麗好きな2人。まだ10時台、時間はたっぷりとある。お腹がすいたので焼き餃子とビールで早速乾杯した。

しばらくすると、多くの登山者たちが入れ替わり立ち替わり小屋を訪れる。泊まる様子の人はいない。別山往復ピストン、南竜山荘まで行く人、トレランの人。しばらくすると雷雨に天気が変わった。早めに到着してよかった。午後14時過ぎ頃に3人の若者達が小屋へやってきた。大雨の中歩いたせいか全身びしょ濡れ、ザックカバーもそのままで板間に上がり込んで来たので板間も水浸し状態 。一番若そうな男性はヘトヘトな状態。残り2人がラーメンを啜ってる間も自分の世話で精一杯。休憩中、足が攣ったと言っても残り2人は黙々とラーメンを啜ってる。大荷物なのでここに泊まるのかと思っていたら、まだ先に進むらしい。ラーメンを啜っている1人が足の攣った男性に南竜山荘に遅れると電話しろと命令する。そば耳を立てていると、今から別山へ行って、南竜山荘まで行くから7時頃に着くとのこと。この雨の中、別山に登って、さらに南竜山荘まで行くらしい。CTにして約4時間。一番若い男性がラーメンを食べ始めた頃にはもう残る2名の男性はラーメンを食べ終わり荷仕度ををしている。先の2名が小屋を出て行った後も若い男性は1人遅れてあわてふためき荷支度をしている。気持ちの余裕も体力の余裕もなさそうな状態。そして後を追うように小屋を飛び出して行った。板間には水溜り、私たちの心には不安が残った。私たちメンバー3人とも同じ考え、あんな状態で南竜山荘まで行けるのか? 
 
それからも睡魔と戦いながら、小屋の中でのんびりと過ごす。
夕ご飯は豚の生姜焼きと、アルファ化米、即席のわかめスープ、A氏特製のじゃがりこポテトサラダ。そして後片付けをして18時に就寝。まだ外は明るい。結局この時間になっても小屋泊の登山者は私たち以外に誰もこなかった。
 
二日目
 早朝1:30に起床。小屋は貸切状態だったので周りに気兼ねなく行動できる。朝食はイングリッシュマフィンのサンドイッチと即席のコーンスープ、コーヒー。サンドイッチの中身はハムとマヨネーズとA氏特性ソース。朝食後荷支度をして小屋の掃除。A氏はトイレ掃除までしてくれた。そして3時ちょうどに出発した。
雨は上がっている、星と月が見える。明かりが集まるように3人で固まってヘッデンで歩く。見た目には笹が生えているけれど、実際よく見ると斜面が切れ落ちていたりする箇所が何度も出てきた。気がついたら声に出して各自注意を促す。先頭を交代しながら歩く、ストックで露払いをしつつも先頭を歩くとズボンがびしょ濡れになった。草木が生い茂っているので袖もびしょ濡れ。4:48の日の出に間に合えばラッキーくらいな気持ちで御舎利山を目指す。なんとかギリギリセーフで日の出に間に合った。しかし、雲量が多くはっきりとした日の出は拝めなかった。日の出を待つ間寒さに震えた。ほとんど濡れてしまっているのだから。早く太陽が照りつけて乾かして欲しいと願った。その後三ノ峰〜別山までの前回の山行と稜を繋ぐために、もう一度別山に登った。あの三ノ峰〜別山の山行からこんなに早く実現するとは思わなかった。同行してくれた2名に感謝。
 その後、別山から南竜までの登山道は素晴らしいお花畑が広がっていた。コバイケイソウがこんなにも咲き誇っているお花畑は初めてみた。時間はたっぷりとあるのでのんびり花の名を調べながら、写真を撮りながら歩いた。途中、中飯場で休憩中にアサギマダラを見つけた、少し遠くにいるメンバーに「アサギマダラ!」と声をかけて知らせたら、周りの登山者に珍しい蝶なのかと尋ねられた。初めてアサギマダラを見た!
13時過ぎに別当出合に下山して、バスに乗って市ノ瀬ビジターセンターまで戻った。
別山〜南竜 コバイケイソウのお花畑

別山〜南竜 コバイケイソウのお花畑

 
追記:I氏が南竜山荘で休憩中に昨日の3人の若者は無事着いているかと確認をしてくれた。19時半頃にヘロヘロ状態で到着したらしい。無事でよかった。実は早朝のヘッデン山行の時に出会ったらどうしようかと3人で心配していた。
(Mおか記)

ページトップへ戻る