山行日 | 2022年9月24日(土) |
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山名・山域・県名 | 石鎚山 四国山地・愛媛県 |
目的 | 日本百名山、西日本最高峰に登る |
形態 | 日帰り山行×3日間(ホテル泊) |
コース |
【8:50】ロープウェイ山麗下谷駅〜【9:00】ロープウェイ山頂成就駅〜【9:28】石鎚神社中宮成就社〜【10:31】前社ヶ森〜【11:17】剣山〜【11:30】夜明峠〜【12:33】石鎚山(弥山)△ 1,974〜【13:56】天狗岳△ 1,982 〜【14:09】南尖峯△ 1,982〜【14:57】石鎚山(弥山)〜【15:57】前社ヶ森〜【16:57】石鎚神社中宮成就社〜【17:16】ロープウェイ山頂成就駅 |
メンバー | 3人 |
天気 | 晴れ |
交通手段 | 車 |
装備 | 日帰り基本装備、ヘルメット |
天気に悩まされる日々はいつまで続くのか…しかしこのままじっと指を咥えて引き退る訳にはいきません。東西合同チームの西のリーダーに相談し、天気が良さそうな四国遠征を急遽計画して頂きました。
初日は西赤石山へ、そして2日目のこの日は百名山で西日本最高峰の石鎚山へ。かつては弘法大師空海も修行としたと言われ、現在でも厳しい修行をする修験の山の一つとして有名なこちらのお山は、最高峰に位置する天狗岳、石鎚神社頂上社がある弥山、そして南尖峰の一連の総体山のことを「石鎚山」と呼ぶそうです。
出発予定日前日の急な行き先変更となった為、いつもより予習に時間が割けず、事前情報が乏しいまま現地入り。山頂までに待ち構える4か所の鎖場は余りにも有名ですが、試の鎖(74m)、一の鎖(33m)、二の鎖(65m)、三の鎖(68m)と距離も難易度も様々。岩場は好きだけど苦手な私は好奇心をくすぐられながらも不安がよぎります。
そこは既に3度石鎚山を訪れた事のあるリーダーが、ポイントを絞り、細やかにアドバイスくださいました。
①鎖場は大変混雑する事②途中、不安定な場所で待ち時間が発生する場合がある事(対策として、スリング・カラビナで自己確保の準備を行った。また、安全が確保できる踊場のような岩場ポイントを見つけ、そこを先行者が通過するまでは、先に進まずに待機した)③鎖場の途中で足場が乏しい一枚岩盤があり、そこは備え付けてあるトライアングル状の鎖(アブミ)を利用すると安定して登れる等の情報は非常に有益でした。
また先々週、合宿に向けての訓練として岩場歩きの指導を受けましたが、その時実際に体で覚えた事が活かせたように思います。
反省点としては今回、余りにも下調べをリーダーに任せ過ぎ、安全に山行を進める上で大きな要になる『どう備えるか』が疎かになってしまった事。先に述べたリーダーのアドバイスなしでは、恐らく鎖場の途中でパニックになっていたと思います。
また今回、合宿の訓練で学んだ事を活かせたと言う点では一つ成長出来たように思いますが、そこから一歩進んで、一を学んで十の場面で役立てられる応用力を養う事の大切さも感じました。
さて、今回四国を目指した最大の理由はお天気だった訳ですが、そこは有難い事に読みがバッチリ当り、待ってましたのド快晴。
愛媛出身のメンバーによると、季節風の影響を受けやすい石鎚山は、年間365日中300日は雨に見舞われると言われている程だとか。
調べてみると、石鎚の年間降水量は平均2000〜3000mm、2005年には一日に757mmもの降水量が観測され、日本の日降水量6位の記録を出したそうです。
土砂崩れ等の自然災害も多く発生する一方、こちら石鎚に降る雨は、四国中を潤す多くの河川の水源にもなっており、石鎚山は言わば四国の命の源といったところでしょうか。
そのように、地元の方には雲の山、雨の山としての印象が強いようですが、幸運にも終日お天気に恵まれ、素晴らしい秋晴れの下、多くの人で賑わう弥山山頂。いくらでも時間を過ごしてしまえそうでしたが、せっかくなので天狗岳、南尖峰にも足を延ばしました。
弥山から天狗岳へは目と鼻の先の距離ですが、ナイフリッジが行く手を阻み、北面は目も眩む垂直の壁。そこは比較的安全な南寄りのコースを辿りました。南尖峰からはおどろおどろしい名の「墓場尾根」も見え、壮大な景色を存分に堪能出来ました。
帰りは全て巻道で下山。余談ですが、今回通った成就ルートの途中にある夜明峠は、その昔まだ石鎚登山が容易でなかった頃、役行者が夜を徹して登山した際にここで夜が明けるのを待ったという逸話から「夜明かし」の名がついたそうです。
そんな、役行者が苦行しながら登ったお山も、今や普段山登りをしない一般の方も訪れるポピュラーなお山となった訳ですが、苦労して登った先に待つ絶景を目にした時、その思いの深さには違いはあれど、きっと今にも通ずる不変の感動があったと信じます。
信仰登山の対象として多くの人に愛されてきた石鎚山。リーダーやメンバーお力添えのお陰で、その魅力を存分に味わえた山行となりました。(S野記)